為替が固定されていた時は、金利のみが変動要因でした。 したがって金利を見ながらお金は動いていけばよかったわけですが、為替が変動するようになると、現在の為替のみならず、将来の為替をも勘案して意思決定することがどうしても必要になってきます。
先程の例を使いながら説明します。 最初から日本とアメリカでは金利差が存在するという前提でしたが、今回は、日本もアメリカも金利はまず5%だとします。
また、為替が変動するという前提ですので1年後にドルを円に交換する時の為替レートがどういうレートになってくるかが大事なポイントになります。 そこで、ここでは1年後の為替レートを予約できる取引(先物為替予約取引)を使って考えることにします。
この取引は通常よく使われている取引で、大体どの銀行でもレートを提示してもらうことができます。 例えば、今日から1年後に取引できるドルと円の為替レートを提示してもらい、1年後の為替レートがどうであれ今日提示してもらったレートを使ってドルと円の交換ができるという取引です。
この取引を使うことによって、現時点で1年後にドル預金をドルから円に交換する為替レートが確定できますので、現時点における円貨に換算したドル預金の金利を計算できるようになるわけです。 ここで、アメリカサイドにおいて1年もののドル預金の金利が何らかの理由により5%から7%に上がったとします。

先程の例でご説明したように、当然ドルを買って円預金からドル預金ヘシフトしようという人が出てきます。 この結果、現在の為替市場(直物市場)でドルを買って円を売るという取引が増加しますから、当然直物市場は円安の方向に動きます。
仮に$1=先物為替予約レートが変わらないとすれば、先程の先物為替予約を使えばまだドル預金の方が1%ほど有利です。 この取引は先物為替予約レートが変わらない限り、全く何のリスクもなく行えるわけですから、利益が出なくなるまで直物市場で円に対してドルが買われることになります。
利益が出なくなる直物レートは$1=¥102(2%の円安)です。 これでドル預金と円預金の金利差の2%は、円をドルに交換する時に為替で相殺されてしまいます。
実際には、直物市場でドルを買って円を売るのと同時に、先物市場で円を買ってドルを売る予約をしますから、直物レートが円安になるのと同時に(例えば$1=¥101)先物為替レートは円高に動きます(例えば$1=¥95)。

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